妻から「私の乳がんの事ブログに書いて」と頼まれたので思い出して書いてみます。
乳がん見つかる
去年、妻の乳がんが見つかりました。
私が仕事から帰るといなや、泣きそうな顔をして胸が痛いと訴えてきます。
聞くと、昔から胸に違和感を抱く事があったとの事。
その日、痛いので胸を確認すると、乳首が陥没し、周辺が固くなっている事に気付き、間違いないと思ったらしいです。
すぐに近くのクリニックで診てもらったら案の定「乳がん」と診断されました。
「100%確実」とはその場では断言されず、精密検査が必要との事でしたが、レントゲンを見た限り明らかに間違いないとの事。
それほど大きくなっていた。
初診時はステージ3a~bとの判断。
それから数日後、精密検査の結果はステージ3cとの事。
※後日、入院先のオペ担当の先生に妻の状態を質問したら、今ではそんな「ステージ3c」みたいな表現方法はしないと言われて、素人の私には理解出来ない説明をされたので、実際のところよくわからない。
そんな話を聞かされ、いきなりだったので衝撃が走りました。
その日から妻の慌ただしい日々が始まります。
大きな病院で治療する事になり、乳がんが見つかった日から数えて約2か月後に手術日を指定されました。
すぐに手術してくれるものかと思ったのに、2か月後なんて長すぎる。
先生は問題無いとは言うものの、それまでの2か月間は妻も私も精神的にやばかった。
ガン = シ
そんな想像が頭の中でグルグル巡った。
不安を抱えつつ、手術に向けて、いろんな準備に追われる事になりました。
手術
治療方法ですが、妻の場合はがん細胞の摘出手術をして、その後薬物治療となりました。
先に薬物治療でがん細胞を小さくしてから、その後に癌細胞の摘出手術をする場合もあるみたいです。
そのメリットとして、まだ大きな癌細胞が存在しているので、薬との相性が判りやく、適切な薬の選択が容易になる。
妻と私の要望は一刻も早くがん細胞を切り取りたいという思いで、先に摘出手術をお願いしました。
入院した翌日に手術です。
手術では片方の胸を全摘出し、その場の確認と判断で(開いてみない事には判らないので)リンパ節も取られました。
手術直後、オペしてくれた先生が油紙みたいなものに、妻から摘出したものを包んで私の目の前へ持ってきてくれ、それを見せられました。
「見ない」という選択肢もあったのですが、私は見る事にしました。
見た瞬間、頭をドン!っと殴られ脳を揺らされた感覚に見舞われた。
数日間その姿が頭にこびりついて離れなかったけれど、無事に癌細胞を摘出してくれたという事実を目の当たりにした事で、いくらか気持ちの落ち着きを取り戻していきました。
退院時期は人それぞれで、手術の翌日には退院出来る人もいるそうです。
妻の場合は、脇の下から水を抜く作業が必要で、水の出が収まった頃、2週間ほどで退院しました。
退院してから薬物治療開始
退院してからは、薬物治療を長い期間掛けておこないます。
今のところ私が把握しているのは約2年先のスケジュールまで。
手術後の治療方法も様々あるみたいですが(放射線治療など)、妻の場合は抗がん剤治療に入りました。
隠れて確認出来ない癌細胞を退治する作業です。
3週間毎に抗がん剤の点滴を行います。
抗がん剤の点滴から2日後には白血球の減少を抑える注射を打ちます。
そこまでが1セットです。
※抗がん剤の点滴が終わった直後、とある装置をお腹に設置して(お腹に針を刺したままにする)、抗がん剤の点滴から2日後に自動的に体内へ薬剤を投与する装置を勧められましたが(通院が大変だろうから)、怖いので通院して注射してもらう方法を選びました。
具体的に書くと・・・
【1日目】抗がん剤の点滴。病院に朝9時に入り、15~16時に全てが終わって出てくるという感じ。
【3日目】ジーラスターを打つ(白血球減少を抑える注射)。この日は1時間以内に終わります。
以上が1セットで、3週間毎で続けます。
妻の場合は以上の繰り返し。
治療方法により、病院に毎日通う場合もあるようです。
ちなみに、どこの病院でもそうらしいですが、長い期間の入院はさせてくれないみたいで、手術が終わったあとは自宅療養が基本で通院治療は必須みたいです。
副作用
現在、抗がん剤治療を4回受けました。
抗がん剤の副作用として様々な形で体に変化が出てきています。
身体中の全ての毛は抜けてしまうと聞いていました。
ところが、1回目の抗がん剤治療を受けてから1週目から2週目はさほど変化無し。
変化が無いので、薬が効いていない?と心配するほどです。
が、3週目に入ったところで、シャワーを浴びたときに髪の毛がボロボロと抜けだしました。
妻は衝撃的だったみたい。
今はツルツル一歩前状態が長く続いています。
眉毛のほうも薄くなってきました。
毛が生えだすのは数年先との事。
他には、全部の爪の生え際が薄い黒色になっています。
味覚障害が出るとの事で、何を食べても味がしなくなるらしいですが、妻の場合はまだ少し味覚があるみたいです。
小さい事で言うと、手のひらが火傷したみたいにヒリヒリした感覚になる。
足が攣る。
など。
以上、妻の見た目はオッサンだし、最初は可哀そうで見ていられなかったのですが、今はすっかり見慣れました。
抗がん剤の点滴は約半年(8回)行う予定で、それもあと4回ですが、次回の抗がん剤治療からは更に副作用がきつくなるそうです。
抗がん剤治療が終わると、次に注射や服薬治療となります。
日常
療養中の体の状態も人それぞれのようです。
妻の場合は抗がん剤治療のあと1週間ぐらいは寝込みます。
薬の作用で、吐き気、軽い頭痛、とにかく気分が悪くてふらふら、眠くてしょうがないなど。
2週目ぐらいからは気分が悪いと言いつつも、自分で食事の用意を出来るようになり、3週目ぐらいからは通常の行動が出来るようになります。
それもつかの間、また抗がん剤の点滴を打つ事に。
先生からは仕事しても大丈夫と言われていますが、とても仕事どころじゃない感じ。
再発防止のため気を付けている事
再発したらもう治らないと言われました。
なので以下の内容を気を付けています。
ストレス
がんの原因ですが、妻の場合は遺伝が大きいと思いますが、ストレスや偏食も原因になったと推測します。
そんな事を想像すると妻に申し訳なくて、何事も寛容になる事にしました。
とにかくストレスをかけない。
「片づけろ!」とか「捨てろ!」とかいちいち言わない。
もう放置。
また、気持ちが塞ぎがちになるでしょうから、将来の楽しい予定など頻繁に入れていくようにしなければと考えています。
例えば旅行とか。
そうすればその事を考えるといくらか気が晴れるでしょうから。
日々の食事
しかし、パンや甘い物をバカ食いしていたのでそれは止めさせました。
完全にダメと制限するとストレスになるでしょうから、パンは週に1回だけとか、誕生日はケーキ食べて良いという事にしています。
最初はブーブー文句を垂れていましたが、中毒症状が収まったみたいで今は何も言いません。
加工食品も出来るだけ避ける。
調理も出来るだけ油を使わず蒸したり焼いたりする。
おかげで酷いいびきも治った感がします。
怪我に注意
リンパ節を取ったほうの手に負担を掛けると良くないので、重い物を持たせない。
あと、怪我すると治りにくいらしいので気を付けています。
特に今は抗がん剤治療中で白血球が減少しているので要注意。
リンパ浮腫という症状もかなりやっかいで、悪化する一方らしいので、特に気を付かうところです。
日焼けも肌に良くないので、外に出るとき日焼け止めクリームは必須。
人の振り見て我が振り直す
以上、想像したとおり大変な事だらけになりました。
それが日常になり、妻の頭髪も見慣れたせいか、私自身は辛さみたいなものはあまり感じなくなりました。
が、当人の辛さは変わらない。
それを見ていると、私自身ストレスと痛さにめっぽう弱いので、自分自身の健康面には改めて気を付けていかねばと思い知らされる日々です。