ギターは自由の象徴
若い頃、ギターを自由の象徴として見ていました。
「このギターを使って自由を手に入れるんだ!」
とか思っていた。
ギターが嫌いになる
ある時、仲間からハコバンの仕事に誘われました。 ※ハコバン = ライブハウス専属バンド。
メンバーのなかには超有名人のバックバンドをやっている人も在籍。
「ゆくゆくはそういった有名バンドへのお誘いも期待できる!? → お金持ち → 自由を手に入れられる!? 」
なんて、仕事を始めた当初は嬉しく思ったのですが。
仕事にしてしまうと思い描いた自由なんて無いと実感させられます。
当然、入りたてのペーペーに自由なんて有るはずもない。
自由を得たいのなら死にもの狂いで頑張って上に行かなければならない。
とても厳しい世界。
そもそも、ギターを弾いてキリギリスみたいな生活を思い描いていたような私です。
考えが甘々過ぎた故ついていけず。
耐えられなくなり早々に挫折しました。
せっかくのチャンスをものに出来ず、情けない自分への嫌悪感が強烈に嫌な思い出として残る事に。
かっこ悪くて恥ずかしくて、そもそも自分には才能が無くこの業界には向いてないと気付かされ、音楽もギターも諦め辞めました。
ギターを捨てた
楽器はギター1本だけ残して他は全部捨てました。
残したギターも全く弾いていません。
1~2年に1回程度、ギターケースから出して確認するのみ。
先日、その1回の確認作業を行いました。
嫌な思い出がよみがえる
ギターを手に持つと、昔の嫌な事が思い起こされます。
弾かないうえに嫌な事を思い出させる。
ギターは今の私には全く必要無い物となってしまいました。
が、なかなか捨てられないでいます。
捨てられない理由
捨てられない理由として、自分が老人になった頃には嫌な感情からも解放されているだろうから。
その時にもう一度音楽を楽しみたいという期待が有ります。
また、指を動かすと脳に良いらしいので、将来のボケ防止のために取っておいても損はないかなと思ったりします。
しかし、そんな事より一番大きな理由は、ギターに一生懸命だった時代の事を良くも悪くも忘れられないからだと思います。
心豊かにしてくれたギターの呪縛から逃れられない。
完全に執着心です。
持ってて良かったと思いたい
時は経ち、嫌な感情は徐々に薄れていっています。
何より音楽は心豊かにしてくれる。
捨てないで良かったと思える日が来る事を期待します。