若い頃は物から受ける恩恵を想像するとワクワクした。
物を手に入れる事で「人生が変わる」「好転する」と思っていた節があります。
よって、物を手に入れる事に一生懸命になり手に入れて喜びを感じた。
実際に手に入れた物を介して、普段では関われないような人達と繋がれたり、新たな知識を得たりする事も出来た。
確かに物を所有する事により、多大な恩恵を得られる事は間違いない。
しかし、そんな物でもいつかは不用品になり得る。
そこからが問題。
不要品になったのならば早々に手放さなければ。
じゃないと物は足枷へと変化する。
狭い部屋を物に占有され窮屈な思いをさせられたり。
不要になった物を維持するために無駄な費用が掛かったり。
という訳で、物を所有する事が足枷になると気付いてからは、なるべく物を手放していく事にした。
実際に物を減らしていくと確かに諸々に余裕が生まれた。
そこで更に新たな物への想いも断ち切る事に。
そうすると、これから先の状況を想像しては、不安感を抱える事になってしまった。
「これから何に興味を持てば良いのだろうか?何の為に働けば良いのだろうか?」
なんて事を思うようになり、人生の終息のようなものを感じさせられる事に。
終息なんて言うには大袈裟かもしれないけれど、長い間物へ依存していた故か、本気でそんな感覚に陥ってしまった。
そんな不安を抱いた時期を経たあとに思うようになったのは、飽くなき無への興味でしょうか。
物質的な物だけではなく、いろんなしがらみも捨ててしまいたいところ。
減らせば減らすほど身軽になれたので。
身軽は気持ち良いし、楽。
よって、無を目指していく。
不安から一転して、持たない暮らしに楽しさを見い出しています。
物、事に依存する事なく、己の身さえあれば楽しめるようになりたいと願い模索する次第です。